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最後に

健康は毎日の積み重ねによって積み上げられていくものとすれば、毎日気をつかっていれば、不健康にはちょっとそっとじゃならないということでもある。
私だってたまには、コーラを飲むことだってある。
インスタントラーメンだって食べることもある。
あまり神経質になり過ぎるのもいけない。
「ストレスは万病の元」である。
だから、一か月に一回くらいはジャンクフードを食べたっていいじゃないか。
一か月に一回くらいは酒を飲み過ぎたっていいじゃないか。
というのが私の意見である。
「あ~昨日はやっちまったなぁ~。今日からまた気を付けよう。」
というように軽い気持ちで、健康というものに上手につきあっていければいいと思う。
物事の基本というものがしっかりしてさえいれば、多少右にずれようが、左にずれようが、元に戻るものだと思う。
これは、何も健康ということに限ってのことではない。
スポーツだってそうだし、もちろん仕事だってそうだ。
スランプに陥りやすい一流のスポーツ選手などは(一流選手でないと、スランプというものは経験できないのだが)、なにかの拍子にふっと力を抜くと、いつもの動きが出来たりするという。
どうしたら良い?なぜだ?どこが悪い?と考えながら体を動かすと、余計な力が入っていつもの調子が出ない。
何も考えずにふとした瞬間に、元の動きが出来たりする。
これも、毎日毎日の積み重ねで基本がしっかりしているからだ。
仕事だって、毎日真面目に一生懸命やっていれば、失敗したときにでもきっとみんながフォローに回ってくれる。
私も一度大失敗をしたことがある。
ドイツでのことだが、ブロート(大きなドイツパン)を20個ほど、全部真っ黒けに焦がしてしまったことがある。
その日は仕込みの人が、新しく入った人で手順がまだ完全ではなく、少し遅れたりしていた。
私は様子を見ながら焼成をしていたのだが、いつも道理の手順で最後のパンを焼き終えたと思い掃除をしていて、さぁ窯の掃除をしようと蓋をあけると、真っ黒なパンが窯いっぱいにある。
とりあえず釜の蓋を閉じ、なぜだ?と考えると、いつも最後に焼くパンと、最後から一つ手前に焼くパンの手順が入れ替わっていたことを思い出した。
いつも最後に焼くパンを窯から出し終わって、「あ~、今日も完璧に焼き上げたぞ」と安心していたが、いつもと手順が違うため、まだ窯の中には今日最後入れたパンがじっくりと焼かれていたのである。
すっかり忘れていた、、、。
とりあえずもう一度蓋を開けて中を確認して、、、、蓋を閉じる。
そこには、絶望ともいえる真っ黒な世界がある。
、、、、、もう一度蓋を開けて中を確認して、、、、蓋を閉じる。
やはり、じっと見つめていると吸い込まれそうな暗黒の世界がそこにある。
やばい、、、怒られる、、どうしよう、、、
考えていたってしょうがない。謝るしか他ない。
「すいません、社長。焦がしてしまいました。」
いつも細かく指導して、少し雑だったり、仕事が遅かったりすると怒られていたので、覚悟を決めていたのだが、窯いっぱいの焦げたパンを見て、
「出せや。」
の一言。
イラついている様子も、怒りを抑えている様子もない。
まさに小事は重く、大事は軽くである。
日頃は小さいことまで細かく指導するが、大きな失敗をしたときには何も言わずただ許してやる。
指導者としての在り方、上司としての在り方を教えてくれた。
同僚たちも、「おい、新しいブロートか?」とか「日本の黒パンか?」とか言って茶化してくる。

なんだか話がそれたような気もするが、毎日の朝食にドイツパンを用意してくれれば、きっと健康というものと上手に付き合っていけると信じています。